2026年4月30日木曜日

投資を復活、資産形成を目指す


リーマン・ショックで画面を閉じた証券口座だったが、アベノミクスがはじまった頃に復帰した。その経緯を話していこう。

リーマンショックよりほんの少し前に遡る。

■ 業績を考えた投資法との出会い

同じ部門にK氏という同僚がいた。仕事は優秀なのに評価されず、くすぶっていた。 彼は競馬と株が好きで、競走馬を三代前まで説明できると豪語していた。私は競馬をやらなかったので、話題は自然と株になった。

私が株の失敗談を話し、「業績を調べていれば損失を回避できたかもしれない」と言うと、彼は一冊のムック本を紹介してくれた。

『分散投資より一極集中! はっしゃん式長期株投資』(2006年1月刊)

滋賀の田舎でもコンビニで買えたので読んでみた。 業績に基づいて銘柄を選ぶという、自分にとって初めての本だった。 業界ごとに整理されており、不動産株や飲食チェーン株に投資していた自分にはすぐ馴染んだ。

著者のはっしゃん氏は小売に強く、月次を調べて決算を先回りする方法が書かれていた。 四季報で期の業績は分かるが、四半期決算や月次はどう調べるのか分からず、思考停止した(実際には本に各社の月次発表ページのURLが載っていた)。

それでも、業界だけを頼りに以下の銘柄を購入した。業績は確認していなかった。

  • クスリのアオキ(現クスリのアオキHD)

  • G-7ホールディングス(オートバックス・業務スーパーFC)

  • カスミ(現U.S.M.Hと統合)

  • カッパ・クリエイト(現コロワイド傘下)

  • セプテーニ(現セプテーニHD)

■ 株価が上がる理由を考える

HP-200LXにハマっていた頃に知り合った人がmixiにいた。 彼が言うには「東映アニメーションが良さそうだ。高配当(当時)だし、日曜朝のプリキュアがシリーズ化して人気が高い。その制作会社」。

高配当という言葉に反応するようになっていたので、100株だけ買ってみた。 リーマンショックの1年ほど前、サブプライム問題で株価が下落していた2007年夏頃のことだ。

  • 東映アニメーション(東映系アニメ制作の老舗)

業績でもなく、具体的な“株価が上がる理由”を持って投資したのは、これが初めてだったと思う。

しかしその1年後、リーマンショックが起き、これらの株を抱えたまま証券口座の画面を閉じた。

■ 小遣い銭稼ぎから資産形成への意識変革

2012年4月、父が亡くなった。認知症と嚥下障害があり介護施設に入所していたが、誤嚥性肺炎で入院し、そのまま息を引き取った。

相続関連は兄が進め、私は遺産の1/4を引き継いだ。1500万円ほどで、半分近くが株だった。 父が認知症の間は口座を動かしていなかったため、損益もそのまま相続された。 内容を確認すると酷いもので、とくにソニー株は1000万円近い損失になっていた。 リーマンショック後に株価が急速に回復していた時期なのに、だ。

2013年10月頃、アベノミクス相場で株価が上がり、持株会で10年以上積み立てていた株が気になった。 最高値は第1回の25,000円、最安値はリーマンショック頃の3,000円台。入社時の5,000円より酷かったが、すでに8,000円前後まで戻っていた。売れば800万円ほどの利益になる。

久しぶりに自分の証券口座を開くと、リーマン前に買った株が大きく上がっていた。 クスリのアオキは買値の5倍以上。持株会と合わせると1000万円以上の利益だ。

売却を決めたが、気になったのは税金。 1000万円の利益に対して200万円。「新車買えるじゃん」。高すぎる。 何か方法はないかと考えていると、相続で引き継いだ株の損失がちょうど同じくらいあることに気づいた。

利益と損失をぶつければ税金はゼロ。

こうして大きな利益を得て、 「株は小遣い銭ではなく、資産形成の手段になり得る」 とようやく気づいた。投資に真剣に向き合う契機となった。

■ 資産形成をめざして ― インデックス投資へ

とはいえ、どうすればよいのか分からない。 適当に取引しても大きな利益は得られなかった。

宝くじに当たれば早いが、当たらないことも理解していた。 そんなとき、2ちゃんねるの宝くじスレで「もっと確実に金持ちになる方法がある」と書かれた一言に惹かれた。

「最適ポートフォリオと効率的フロンティア」

説明もなく専門用語だけ並べるあたりが2ちゃんねるらしい。 少し調べると、すぐにインデックス投資に行き着いた。

その第一人者が、水瀬ケンイチ氏のサイト 「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」 だった。インデックス投資の基本が丁寧に書かれていた。

サイト名は『ウォール街のランダム・ウォーカー』(バートン・マルキール著)に由来するらしい。 本も買って読んでみた。厚い本だったが、要点は「ランダムウォーク理論」。 適当に選んだ株のポートフォリオでも、プロの投信と同等になるというものだ。

大事なのは経費が安い投信を選ぶことということだ。 持株会の株式を売った時に、12年前に銀行で購入していた「日本バランス50」と「日本バランス80」の解約もしたんだが、合計100万円の元本に対する利益は1万円ちょっと。売買手数料が高く、その後も高い信託報酬を引かれ続けて、解約するときに信託財産留保料を取られた結果だろう。購入当時は経費の安いインデックス投資なんてなかったからしょうがない。

比率は「私のインデックス」を登録して効率的フロンティアに近づけるよう調整し、 先進国株7割、新興国株1割、日本株2割のような構成になった。

持株会でドルコスト平均法の効果を知っていたので、しばらく毎月15万円ずつ手動で積み立てた。

■ 個別株投資への回帰

毎月の積立時には「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」の最新記事を読み、 経費率の低い投信を確認しながら投資した。 楽ではあったが、資産があまり増えていない感覚もあった。

暇つぶしに2ちゃんねるを読んでいると、「インデックスバリュー投資」という単語の書き込みが目に入った。 インデックス投資をベースにしつつ、明らかにダメな銘柄を除外するという考え方だ。

なるほどと思った。 実際には割安銘柄に投資するバリュー投資なのだが、そのときはそこまで理解していなかった。

こうして、わずか1年半でインデックス投信だけに積み立てる時代は終わった。


  投稿日:2026年4月30日(木)

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