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■ 癌とどう向き合うか?
癌になった人は、部位やステージに関係なく、 おそらく誰もが「他の人はどうしたのか?」を調べると思う。 自分もそうだった。
本を読み、動画を見て、ブログを読み、 治療の選択や生活の変化、考え方の違いをひたすら探した。 医者の説明とは違う“生の情報”を求めていた。
調べれば調べるほど、 「癌になった人の数だけ、生き方がある」 という当たり前のことに行き着く。
■ 癌は“死ぬまでの時間”を与える病気
癌は初期なら治る。 末期でも、すぐに動けなくなる病気ではない。 むしろ、死ぬ寸前まで身体が自由に動くケースが多い。
だからこそ、 「やりたいことをやり始める人」が多いのだと思う。
旅行に行く人、 仕事を辞める人、 家族との時間を増やす人、 趣味に没頭する人。
生活習慣病的な側面もあるので、 寛解した人でも健康に気をつけるようになる人が多い。 癌は“生き方を見直すきっかけ”になる病気だと感じた。
■ 医者が言っていた「死ぬなら癌が良い」という話
何人かの医者が同じことを言っていた。
「死ぬなら癌が良い」
ピンピンコロリは理想と言われるが、 実際には“死ぬ準備もできずにいきなり死ぬ”ということでもある。 親しい人とお別れもできない。
老衰は徐々に身体が弱っていくので、 死ぬ直前にやりたいことができない。
その点、癌は“死への時間猶予”がある。 親しい人とお別れができて、 やりたいことをやってから死ねる場合が多い。
この話は妙に腑に落ちた。
■ 自分はあまり遊んでこなかった
自分の人生を振り返ると、 あまり遊んでこなかったと思う。 比較的、仕事を優先して生きてきた。
「もし死ぬとしたら?」 そう考えると、後悔しそうな気がした。
やりたいことを後回しにしてきたこと、 仕事に時間を使いすぎたこと、 自分の人生を“消費”してきた感覚。
癌が見つかった瞬間、 “残り時間”という概念が急に現実味を帯びた。
■ 自分がやりたいことは何だろう?
改めて考えると、 自分が「本当にやりたいこと」はあまりやってこなかった。
PC、アニメ、漫画は好きで、普段からよくやっている。 癌になるより前、自転車が壊れたのを機にロードバイクに買い替え、 思い立って遠くへ行くようになっていた。
ただ、自転車では行ける範囲に限界がある。 もっと遠くへ行きたいと思った。
そうだ、電車を使って一人旅に行こう。
■ 大人の休日倶楽部に行き当たった
調べているうちに「大人の休日倶楽部」に行き当たった。
ミドル(50〜64歳)
ジパング(65歳以上)
当時55歳の自分はミドル。 JR東日本・北海道で201km以上乗ると5%割引。 (ジパングなら30%割引らしい)
さらに、どちらにも共通の「大人の休日倶楽部パス」がある。 これを使って一人旅を始めた。
それ以降は、パスの時期になると 有休3日に土日をくっつけて、5日間フルに楽しむようになった。
■ 旅は“自分を見つめ直す時間”になった
それまで旅なんて、
ストリートビューでいいじゃん
YouTubeで旅動画あるじゃん
時間もお金もかからないし同じでしょ
と思っていた。
実際に旅をしてみると、 途中の“暇な時間”がまったく違った。
自転車なら操作で余裕がない。 電車なら景色をずっと見ているわけにもいかず、 タブレットで動画を見たり本を読んだりしても時間が余る。
その“余った時間”が、 自分を見つめ直す時間になった。
■ 資産を見て、ふと思った
投資は若いときから続けていた。 手術後1ヶ月の検診の診察待ちで、 スマホで自分の資産を眺めていてふと思った。
優待と配当で生活は充分賄えている。 積極投資をする資産もある。
自分が死んだら、この資産も残るんだよな……。
もう充分じゃないか? 作った資産は使わないと意味がない。 そのためには時間が必要だ。
このあたりから、 退職を意識するようになった。
投稿日:2026年4月10日(金)
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